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2009年5月23日 (土)

『蜘蛛の巣』

ル・テアトル銀座にて『蜘蛛の巣』を鑑賞。アガサ・クリスティー唯一のサスペンス・コメディだそうです。e+の得チケで、割引のほかに原作本がついてくるというサービスのよいチケットでした。クリスティが戯曲書いてたなんて知らなかった。「ねずみとり」というのが有名みたいですね、

まあ、それはともかく、お話はイギリスの片田舎に住んでいる外交官夫妻の屋敷が舞台。想像力豊かでチャーミングなクラリサは、真面目な外交官ヘンリーと結婚してまだまもない。ヘンリーには娘が一人いて一緒に住んでいる。前妻は麻薬中毒で、そのせいで娘はひどくつらい思いをしたらしい。屋敷にはクラリサのおじさんやら、そのともだちやら、主人の身分にふさわしく、大物の客がいろいろ訪ねてくる。ある日、極秘で外国の要人が屋敷に訪ねてくることになった。それを待っている間に、クラリサが死体を発見し……。

 

ミステリはネタばれできないからちょっと書きにくい。クラリサ役は浅丘ルリ子。彼女が出てきたとき、客席から拍手が。ファンクラブかしら。設定は30代後半からせいぜい40代前半だよねえ。ご本人は60代後半。が、席が離れていたせいもあるかもしれないが、違和感なし。身のこなしが軽いからか。イギリスらしいユーモアセンスを備えた、うそつきで可愛い女性にぴったりでした。金髪のかつらもドレスも似合うなあ。ただセリフが……今日はかみかみでしたね。もともと早口な人ではないと思うが、長いセリフにつっかかってた。でもそれも小さなことと思わせるオーラがあったよ。

まわりを実力者ががっちり支えていたから安定感が損なわれなかったのかも。やっぱり瑳川哲朗はすごいわ。クラリサのおじさん役。最初に犯人を見抜く。大物オーラが常に漂っている。そして男性陣では警部役の石井一孝と夫のヘンリー役の田村亮のカッコよかったこと! 石井一孝って、意外な経歴の持ち主なんですねえ。殺されちゃう悪役オリバーに花王おさむ。「風が強く吹いている」で、青竹荘の大家さんやってたから、なんとなく可愛いおじいちゃんのイメージだったんだけど、今回はガラッとかわって……。ロバート・カーライルがやったら似合いそうな、チンピラ風。うーむ、役者さんて変われば変わるもんだ。執事役に六角精二。映画のスピンオフで主役やってましたね。ちょっと癖をつけた役作りでうまい。

話としてはオーソドックスというか、ある小道具が出てきて、動機はすぐにわかった。昔の推理小説を読むと、最近の日本の推理小説は、謎解きとともに情に訴えるものを目指しているのではないかと感じる。「容疑者Xの献身」でも、ちょっと前に論争になった「半落ち」でも、泣かせられるようなものが評判になりませんか? この作品でも、今の日本なら、児童虐待とか、そういう面ももっとじっくり書くと思うの。(書いてないから何があったかわからないけど、娘のピパがオリバーに怯えていた。)わりと人間関係のドロドロはさらっと流してしまう。推理の部分がかすんでしまうからかな。まあ、どちらでも楽しめればいいんですけどね。私などは。

銀座の土曜の昼下がりに、優雅なひとときを楽しみました。

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コメント

クリスティ「ねずみとり」は当時の高校演劇の定番だったのよ〜!
人数、長さ(上演時間)がちょうどいいんだろうね。あと密室殺人だから、セットの変換が要らないとか(低コスト&手間なし)
六角さんは、大学時代には小劇場の人(しかも若手)だったけど、今はすっかりテレビの中堅役者さんだよね〜 昭和は遠くなりにけり。

投稿: Yな | 2009年5月24日 (日) 16時02分

Yな、こんばんは~。そうか「ねずみとり」は高校演劇でも演じられるほど有名なんだ! これもおもしろかったよ。たしかにセットは変わらなかった。でもさすがテアトル、お金かかってる感じでした(笑) 六角さん、味のある役者さんですよね。

投稿: こっとん | 2009年5月24日 (日) 22時08分

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